惜別の詩  〜或るBONDSファンからの手紙〜


−最後に彼が放ったヒットは、セカンドの頭を越えてライトの前で弾む「彼らしい」一打だった。
全力で走り出し、打球の行方を目で追いながら彼は、何を心に思い一塁ベースへと向かったのだろうか・・・−

吉田明俊、2002年BONDSに入団。チームの中核を担う「青木世代」の1人であり、バイプレーヤーとしてBONDSに欠かす事の出来ない選手だった。
野球機械--」、「外野酒-藤田-」、「闘将-相田-」、「野球魂-永井-」、「神の足を持つ男-伊東-」・・・
超個性派軍団のBONDSの中で、派手さはないが「堅実」、「いぶし銀」という言葉が一番似合うのは彼であろう。
私には彼の忘れられないシーンがある。2004年9月12日潮見球場での対Black Eyes戦、
(※1)二死三塁の場面で一塁後方に上がったフライを一塁手の吉村が背走しながら捕球を試みたが、失敗。
ファーストミットからこぼれ出たボールを彼が地面に落ちる前に捕球し、失点を防いだ場面があった。ピンチの芽を摘み取った彼は最近の若い選手にありがちな派手なガッツポーズをする事もなく興奮するナインの輪の中へ入って行き、ハイタッチをした後ベンチでひとつ息を吐いた。
その時の彼の、大きな仕事をやってのけた満足感に満ちた表情が今も脳裏に焼き付いている。

そして2005年3月27日、彼は我々ファンへ最後にこう言い残し新たな挑戦の舞台へと旅立って行った。

「ありがとう御座いました。BONDSは最高のチームです!」

背番号23、吉田明俊。私は、君がいつか再びBONDSのユニフォームを身に纏い、そして君らしい芸術的な右方向へのヒットを放つ日が来る事を信じている。

2005年3月28日 -記-


[Tokyo,2005/3/28 = 二葉亭四球]
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